
私達の幼稚園では、何か特別な事情でもない限り、子どもたちに毎日必ず絵本を読んであげています。
「ふーん。でも絵本ってだいたい世界の名作とか、日本の昔話とかでしょ。それだったら
ビデオなんかも出てるし、3チャンネルでもやってるからそれを見せても大して変わらないんじゃない」
と思われるかもしれませんが、
「保護者や、先生などが、子どもに直に、読んで聞かせてあげること」が
大事なのであり、このことには、現在深刻化する一方の子どもを取り巻く問題
…学級崩壊・いじめ・不登校・少年犯罪の凶悪化…などを防止、解消できる力が存在するのです。
その力とは…
1.「人の話を聞くと楽しい」ということが心に刻まれる
子ども達の大好きな本のお話は、もちろん、子どもにとって、とても楽しいお話です。
それを、先生や保護者の方が読んで聞かせてあげることにより、
「人の話を聞く → 楽しい」 ということが、次第に子どもの心に刻まれていきます。
そして、本は大きな楽しみを与えてくれる物として認識されます。
学級崩壊の一番の原因は、「人の話を聞くことができないこと」だと思います。
読み聞かせを繰り返し、定着させれば人の話を素直に、それも集中して聞くことが
できるようになります。この「人の話を聞く力」は、あらゆる社会生活、学習行動の
基本であり、他のどんな能力よりも子ども達に身につけさせてあげたいものです。
2.本が好きになり、自然に読書習慣がつく
幼稚園を卒園した子どもたちは、当然小学校へ進学するわけですが、
よく思い起こしてみてください。その後の最低9年間の学習のほとんどは、
「本」によって行われるということを。
一説によれば、本を読む時はテレビを見ている時の30倍の脳細胞を
働かせているそうです。
人間は楽なことを好む動物です。ほうっておけば、30倍もきつい読書より、
楽で手軽なテレビが大好きになることは、高校生の6割が月に一冊も本を読まないと
いう統計が実証しています。
無論、本を読むことに抵抗があるかないかは、その後の学習活動にも大きな影響を
及ぼすことが考えられます。
3.思いやりのある豊かな心が育つ
本の中で、子ども達は主人公と一体化し、喜び、悲しみを共にします。
テレビと違うところは、それらすべてが自分の想像の中で行われることで、
より鮮明に、深く心に刻まれることです。このことにより、自分だけでなく、
他人の気持ちを理解できる心、つまりは、思いやりのある心が育っていくのです。
現に、NHKテレビのクローズアップ現代で放映されたように、毎日朝の15分間を
読書の時間にあてた小学校では、子どもたちが本を好きになるにつれ
て、校内の荒れや、いじめ、不登校も消失していっています。度重なり、
凶悪化する少年による犯罪も彼等にこの思いやりの心があれば、起こるはずが
ないのです。文科省をはじめ、様々な教育機関では、「心を育てる教育」を目標
としておりますが、読み聞かせによって、確実に子どもの心は育っていきます。